薬物療法や向精神薬について

ここでは、当ブログで紹介している薬物療法や向精神薬についての追加情報をお伝えします。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬

抗不安薬の多くは、ベンゾジアゼピンという特定の構造を持つ薬剤のカテゴリーに属します。ベンゾジアゼピン系の薬剤は、生体内のベンゾジアゼピン受容体に結合するため、ベンゾジアゼピン受容体作動薬と呼ばれます。ベンゾジアゼピン受容体は、情動と関係する大脳辺縁系をはじめとして全身に分布し、GABA受容体と複合体を形成しており、この複合体にベンゾジアゼピン受容体作動薬が結合すると、抗不安作用や睡眠作用が発揮されます。

ベータブロッカー(ベータ遮断薬)

交感神経の受容体の内、アルファ受容体は主に血管に、ベータ受容体は心臓に分布しています。交感神経のシグナルが交感神経の末端に伝わると、ノルアドレナリンが分泌され、血管や心臓に分布するアルファ受容体やベータ受容体に結合し、血管や心臓にシグナルが伝達されます。心臓におけるベータ受容体は、心臓の収縮力や心拍数を増加させたり、気管支を拡張させたりする働きがあります。ベータ遮断薬とは、ベータ受容体にノルアドレナリンが結合し交感神経のシグナルが伝達されるのをブロックする働きがあります。精神科においては、社交不安障害などにおいて、動悸、ふるえなどの身体症状が強い場合に必要時に限って使用されることがあります。本来は、高血圧症や期外収縮などの治療薬であるので、社交不安障害などに高血圧症あるいは洞性頻脈などの併発が無い場合には、適応外使用となります。副作用として血圧低下や、気管支喘息悪化などに注意が必要です。

参考文献

浦部晶夫, 島田和幸, 川合眞一. (2019). 今日の治療薬. 南江堂.

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